木川屋が地酒を本格的に取り扱うきっかけ

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木川屋が地酒を本格的に取り扱うきっかけ

初孫当店が特定名称酒(本醸造以上の造りの酒)を本格的に取り扱い始めたのは昭和58年くらいからです。 昭和51年には酒田大火という大火があり蔵元が一件全焼してしまいました。

この造り酒屋には経理担当の事務として私の母も働いていたことがあり、蔵元には親戚 のように可愛がっていただきました。 大火で蔵も母屋も、私の母の実家も全焼してしまったのです。

全焼して造りが出来なくなってしまった蔵に、桶買い(他の蔵元で造られた酒を買って自社ブランドで販売するいまで言うOEMです)の仲介をしたこともありました。

級別制度全盛期

上喜元 倉庫1980年当時は級別制度全盛の時代で、特定名称酒(特に吟醸酒など)は蔵元で鑑評会用に造ってはいたものの市販している蔵元はほとんどありませんでした。

当店が働きかけて吟醸酒を市販した蔵元は上喜元、東北泉、松嶺の冨士を始めいろいろあります。 級別制度の矛盾やそのお酒がどうやって造らているか、どんなお酒なのかをお客様に説明しその当時二級酒扱い(無鑑査二級)だった大吟醸(鑑評会出品酒)を販売しました。

私はその頃はまだ中学生だったので、よくはわからないのですが...。地元の他所の小売店からは「あの酒屋はわけのわからない商売をしてそのうち潰れる」とまで言われたこともあったそうです。

ですが、その当時から現在まで変わること無く大切に扱ってきたお酒と、それを飲んでくださったお客様のお蔭で木川屋は地酒専門店として事業を継続することができました。これは本当にありがたいことです。

現在の販売内容

倉庫このように、以前から地元の清酒に着眼し先代が1本1本お客様に説明しながら販売してきました。 幸いお客様の支持を得ることができ、お蔭様で現在では総売上の約80%が清酒で占められ、清酒の売り上げの100%が山形県内産の清酒になっています。

よその地方から取り寄せた酒ではない、自分達が生まれ育った地方の酒だけを販売しております。ワインも専門のインポーターから直接仕入れ、ビールよりもワインの方が大きなウェイトを占めています。

木川屋の取り扱い地酒

出羽桜木川屋は山形県の地酒に特化した専門店ですが、山形県には50以上の酒蔵があります。木川屋comでご紹介している蔵元・清酒は、長年県内の地酒業界や蔵元との情報交換から木川屋が自信を持ってお薦めできる本物の地の酒です。

木川屋の取り扱い地酒は知名度やマスコミでの評価ではなく、私達が蔵元へ出向きどのような考えで酒造りを行っているのかを確認し、客観的に酒質を評価し、地元に愛され、地元に尽くしている本物の酒ばかりです。30年近くの地酒への取り組みの間、初期の頃から今日まで、長いお付き合いをさせて頂いています。これからも山形県内の地酒にこだわっていきたいと思っております。

新たな取り組み

平成5年からは長期熟成酒研究会、「古酒二十歳の会」事務局を担当しています。 この会は県内の8銘柄に長期熟成用の大吟醸を出品してもらい、当店冷蔵室にて20年の熟成を行い、毎年酒を開けて味わい会員(60社)でその味わいの変化を楽しもうという会の事務局を担当しました。平成26年まで20年間のお酒の熟成を無事に完了いたしました。

どぶろく

また平成18年より全国でも初めての試みとなる、地酒専門店において濁酒(どぶろく)酒造免許を取得し、商品化いたしました。

お陰様でどぶろくは大好評をいただいており、当社の主力商品となっております。

その後どぶろく製造は株式会社酒田醗酵として、木川屋創業者の高橋昭夫が代表となり製造を行っております。