お酒は長く保存するとよくなるという話があります。貯蔵により香味の調整を 図ることをいいますが、はじめから香味に癖の強いお酒は長期間の 熟成を要します。ウィスキーやブランデーのようにその癖も樽貯蔵に よってすばらしい風味になるものも少なくありません。
しかし、新酒から香味のまとまりのよいものもあり、かえってその風味を 好む人もおります。清酒の「生酒」やワインの「ヌーボー」等はその例でしょう。 中には骨董的な意味で年代を強調するものもありますが、 これは本来の風味とは関係がありません。
一般に(例外もあります)、一旦生産者の倉庫から出荷されたものは、当然飲み頃に なっており、それ以上保存することは意味をなさない場合が多いです。 むしろ保存中の劣化に注意する必要があります。とりわけ味を主体とする 醸造酒では、保存のための次の3つの注意が必要です。
特に高温は禁物です。「空気に長く触れさせない」というのは 一般家庭では難しいことですが、残りの二つはある程度実現できます。
ほとんどの清酒は茶色や緑色の瓶に詰められています。 これは、光を妨げるための努力なのです。ビール瓶も劣化を防ぐために茶色になっていますね。 でも、最近になって見栄えの良い瓶ということで色の薄い瓶や透明の瓶が 増えてきました。これらの瓶は光を通しやすく、すりガラス状のものは 光を乱反射させて増幅させているという説もあるようです。
当店がもっともお薦めする方法は新聞紙で瓶ごと包んでしまう方法です。 一升瓶であれば新聞紙一枚、四合瓶であればその半分で綺麗に包めるはずです。 そして、冷蔵庫(または冷暗所)に入れておけば良いでしょう。
家庭用の冷蔵庫は開け閉めが激しく、温度が変化しやすいのですが、 新聞紙で包むことによってある程度温度変化を押さえることができます。 また、光もある程度防げます。