玄米の表層部や胚芽には、タンパク質、脂肪、ミネラル、ビタミン等栄養成分がたくさん含まれています。
それらの成分は麹カビや酵母の栄養となりますので、必要な成分なのですが、あまり多すぎますと製成酒に色や苦味またはくどみをつけて、香味のバランスを崩してしまいます。
そのため、お酒の原料は精米機を使って玄米の胚芽や表層部を削り取り、タンパク質、脂肪、ミネラル、ビタミン等の成分を少なくした白米を使用します。
画像データは前ページの山田錦を精米歩合40%まで精白したものです。
精米歩合は白米の玄米に対する重量の割合です。 玄米の表層部ほど、たんぱく質、脂肪、灰分、ビタミンが多く含まれ、それらの成分は 精米によって精米歩合70%程度までは大きく減少し、その後は穏やかに減少します。
お酒造りにタンパク質は特に邪魔になります。
これらの成分は、清酒の醸造に必要な成分であるが、多すぎると麹菌の増殖や アルコール醗酵が進みすぎ、雑味成分の多い品質の悪い製品になること、 貯蔵中の劣化が促進されることなどが知られています。
ちにみに、家庭用の白米は、 精米歩合92%程度(玄米の表層部を8%削り取る、八分磨き)です。
精米作業は昔は杵(きね)を使ったりしていましたが、現在は竪型精米機という機械を 使って精米されています。
普通の飯米は91%精米(9%を糠として除く)くらいで酒米は75%~65%、吟醸酒になると60%~30%精米にもなります。 これを考えると吟醸造りというのがいかに贅沢な造りか伺えます。
40%以下の精米となると人間の手で行うのはほとんど不可能で 機械に頼らざるをえません。
「竪型精米機」 (写真提供:初孫)次の行程へ進む