酒田市のただひとりの名誉市民であり、世界的に著名な写真家土門拳は 酒田に生まれ、幼くしてこの地を離れたが、常に郷里を愛し、 自分の全作品約7万点を酒田市に寄贈することを望んだ。 市ではこれにこたえ、世界で初めての写真美術館「土門拳記念館」が 建設された。
酒田市街地から南西4km、飯森山カルチャーパーク内に位置する記念館は、 飯森山の緑に抱かれるように据えられ、中庭からわき出す清水は、 静かな白鳥の池に流れていく。池の向こうには、鳥海山が四季折々の 姿をみせる。入館する前に、まず外から、この素晴らしい眺めを鑑賞していただきたい。
また記念館の設計を谷口吉郎氏、彫刻はイサム・ノグチ氏、 増援は勅使河原宏氏、銘板年譜は亀倉雄策氏と、各界一流の手により建造。
主要展示物は、土門拳の代表作「古寺巡礼」「室生寺」。 年四回程度の展示を通してその全体が紹介される。 また「風貌」その他数多くのの作品は企画展示されている。さらに毎日新聞社・カメラ毎日が主催する 「土門拳賞」の受賞作品も、展示、永久保存される。
土門 拳(1909~1990)
写真家。山形県酒田市に生まれる。リアリズム写真を 確立した写真界の巨匠。報道写真の鬼と呼ばれた時代もあり、 その名は世界的に知られている。
ライフワークであった「古寺巡礼」は土門の最高傑作とされ、 特に著名であるが「室生寺」「ヒロシマ」「筑豊のこどもたち」 「文楽」「風貌」「日本の古陶磁」「古窯遍歴」「日本名匠伝」 ほか数多くの作品をのこし、いずれも不朽の名作群として名高い。
土門拳の芸術は、日本の美、日本人の心を写し切ったところに あるといわれ、その業績に対する評価は極めて高く、1943年に 第1回アルス写真文化賞を受けたのをはじめ、多数の受賞に輝き、 1972年に紫緩褒章、1980年に勲四等旭日小緩章を受けた。
●住所: | 酒田市飯森山文化公園内 |
●TEL: | 0234-31-0028 |
●開館時間: | 午前9時~午後4時30分 |
●定休日: | 毎週月曜日(休日のときはその翌日)および年末年始 |
●料金: | 一般:410円、学生:200円、中小100円 |
●交通: | 酒田駅前より土門拳記念館経由十里塚方面バス15分 |