新しい酒米 「山恵錦(さんけいにしき)」
2017年に誕生したばかりの長野県生まれの新しい酒米です。
山恵錦という名前なのですから、きっと山田錦が絡んでいるのかな? と想像したのですが違いました。
山恵錦は信交509号を母とし、なんと父は山形県オリジナルの酒米第二号となる山形酒86号(出羽の里)になるのです。
出羽の里は長野生まれの名品種、美山錦を祖先に持ちます。
長野県で美山錦が誕生し、山形県では美山錦が長年主力の酒米として活躍しました。
その美山錦から出羽燦々、出羽の里が生まれ、出羽の里から長野県の新しい酒米として山恵錦が誕生。
長野と山形の強い絆で生まれた酒米だと感じます。
美山錦に比べて山恵錦は以下の点で優れています。
・耐倒伏性に優れています
・耐冷性に優れています
・10%程度多く収量があります
・千粒重がやや重い(より大粒)
・心白粒の発生率が高い
・玄米のタンパク質含有率は低い(雑味が少ない)
・精米時における砕米発生は少ない(砕けにくい)
・アミノ酸生成総合活性が低い(雑味が少ない)
※北陸作物学会報 2018年より
出羽の里もたいへん優秀な酒米で非常に高いコストパフォーマンスを持っています。
山恵錦も期待の持てる酒米ですね。
早速飲んでみました
出羽の里のとの比較になりますが、出羽の里よりも香りが高くフルーティな印象です。
華やかで生酒らしい甘さを伴った香りが感じられます。
日本酒度は±0と、最近のマイナスの日本酒度が多い中ではやや辛口に感じるところもあります。
原酒でアルコール分が高いのでそれの影響もあると思います。
味わいも原酒らしく輪郭のはっきりした飲みごたえもあり、淡麗に仕上がる出羽の里よりも華やかな印象のお酒です。
冷たい温度がお薦めです。
ワイングラスで飲むのも良いでしょう。
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