「本間様にはおよびもないが、せめてなりたや殿様に。」
この言葉は当時の本間家の盛況ぶりをうかがわせる。 本間家三代光丘が明和5年(1768)幕府巡検使の宿舎として建造、 その後許されて代々の本邸として使用していました。
山形県唯一の江戸中期武家屋敷で2000石の格式ある書院造りで長屋門をもち、 度重なる火災や地震に耐えて現存している。終戦後、一時市の中央公民館でしたが、(本間家本邸で結婚式を挙げられた方々もいらっしゃる そうです)現在は本間美術館の分館として 一般に公開しています。
戦前日本一の大地主といわれた本間家は、戦前約3千町歩(3000ヘクタール)の 農地を保有したといわれています。(小作人約3000人)。
本間家の先祖は相模国本間村から、鎌倉時代佐渡に渡り、一族は越前、 越後に分かれ、酒田へは永禄年間(1558~1570)に移ったといわれています。
元禄2年(1689)本間原光が、本町一丁目(現本間物産本社)に新潟屋の 看板をかかげたのを初代としています。 以後、今日まで10代続き代々港を中心に商業、金融、地主の事業で着々産を成し、大名貸しもやり、前述のとおり殿様以上と歌われました。
とくに三代光丘は、砂防用の植林を行い神仏を尊び、藩主酒井家に度々献金し、本間家中興の祖といわれています。明治以降は米作技術に 力を尽くし、庄内米の声価を高めました。
本間家が植林した砂防用の松は酒田市の至るところで見受けられ、 現在もその機能を保持しています。 また、昭和51年の酒田大火で焼失しなかったのは、本間家本邸をぐるりとかこんだ 土塀と松のお蔭と言われています。
●住所: | 酒田市二番町12-13 |
●TEL: | 0234-22-3562 |
●開館時間: | 3月~10月(AM9:30~PM4:30) 11月~2月(AM9:30~PM4:00) |
●定休日: | 年末年始、展示物入替時 |
●料金: | 一般:500円、中高:300円、小:200円 |
●交通: | JR酒田駅より鶴岡方面バス8分(中町下車)徒歩3分 |