やまと桜 蔵見学

元奥羽自慢の名杜氏、佐藤勝杜氏が移籍したやまと桜へ見学に行ってまいりました。

名杜氏としての腕前だけでなく、やさしい人柄でも知られる勝杜氏。
久しぶりにお会いするのをたいへん楽しみにしておりました。

やまと桜こと合名会社 佐藤佐治右エ門は創業明治23年(1890年)になります。

地元消費の多い蔵元で県外にはあまり出ていない銘柄ではありますが、新たに奥羽自慢の佐藤勝杜氏を迎え
高品質酒の品質向上に期待が持てる注目の蔵元になります。

蔵元は庄内地方の中央に位置する庄内町(旧余目町)にあります。

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母屋を含む敷地を大きく、通りからやまと桜の建物が見えます。

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通りに面した看板のある建物

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特徴的な丸い窓には木彫りのフクロウが居ます。

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正門には社名と銘柄名。奥が醸造棟になっており煙突も見えます。

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奥の事務所の建物で勝杜氏が出迎えて下さいました。

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こちらが佐藤勝杜氏です。
勝杜氏の人柄が顔に出ていらっしゃいます。


早速醸造棟を拝見させて頂きました。
醸造棟は鉄筋コンクリートの3階建てで、昭和41年に古い醸造棟の近くに増設されました。

庄内町は広大な庄内平野の真ん中に位置しますが、周りに高い山などが無いため冬は風が建物に直接当たり、かなり冷え込むそうです。

勝杜氏が前に在籍されていた奥羽自慢も鶴岡の山間の豪雪地帯に位置していますが、積雪はそこよりも少ないものの、ずっと底冷えするとおっしゃっていました。

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醸造等の3階からの眺めです。

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洗米は水の流れを利用した米を傷めない洗米機を使用しています。
もちろん鑑評会用の酒は限定吸水による手洗いです。

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甑(こしき・蒸し釜)は一般的な和釜を使用しています。

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タンクの呑口や上槽の器具などは全て丁寧に洗われ、熱湯で消毒されます。

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勝杜氏が指差しているのは昨年新設した麹室です。

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ステンレスを用いることで衛生管理が十分に行え、また新しい麹室にありがちな木香(きが・木の香り)が麹に移るのを防ぐことができます。

現在の酒造りで最も大事な工程である麹造り。この肝心要の部分に設備投資をしました。

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大吟醸などの高品質酒用の麹蓋(こうじぶた)です。
吟醸はこのような小さい箱を何段にも積み重ねて、ひとつひとつ丁寧に麹が作られます。

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出来上がった麹はこの枯らし場で温度・湿度を調整されて使用されます。

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酒母は速醸です。

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酒母の温度を調整するあんか(電熱器)です。

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タンクは周りを木の板で綺麗に覆われています。

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作業上もとても安全ですね。

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搾りの機械(薮田式圧搾機)です。
ヤブタを使用していて佐瀬式の押し槽は使っていません。
出品酒などは雫採りです。

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昔の木桶もあります。

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現代は事務室ですが、大昔は番頭さんがここで仕事をされていたのでしょうね。
歴史を感じさせる建物です。

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母屋のお座敷も拝見いたしました。

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土間の上がりのところに、建物の梁に使われている太い木は欅の一枚板です。
今はこんな贅沢な木材は手に入らないでしょうね。

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上喜元の橋本家の母屋といい、昔の造り酒屋さんの贅を尽くした建物には驚かされます。

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伝統も素敵ですね。

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造りに使う蓋を流用したテーブル

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勝さんと記念撮影。
忙しいところお時間を頂戴してありがとうございました。
シャッターを押していただいた事務の方もありがとうございます。

伝統を守りながら新しい取り組みを始めていく「やまと桜」。
木川屋の地酒頒布会でも毎回好評を頂いておりますので、今後取扱いを増やして行こうと思います。

ぜひご期待下さい。
規模は小さくともレベルの高い酒が増えている蔵元です。
やまと桜を応援お願いいたします。

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