アルコール度数・酸度計測

今日は出来上がったどぶろくのアルコール度数・酸度を計測します。

まずは石垣先生が見本をみせてくださいました。

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先日分離したどぶろく(清酒)をバーナーで暖めます。アルコールが気化しますのでそれを冷却して集めます。はい、いわゆる蒸留ですね。焼酎を造るのと同じ行程です。

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収集したアルコールです。よくみると線のようにゆらゆら揺れ落ちているアルコールが見えるのですがわかりますか?

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浮標を使ってアルコール度数を計測します。これはガラスで細くて割れやすいので細心の注意をはらう必要があります。結構価格、高いんですよ。シリンダーの中に浮標が浮かんでいるのがわかりますか? 上の細い部分に目盛りがありますので、そこでアルコール度数を計測します。

次に酸度を計測してみましょう。

清酒中の酸はコハク酸、乳酸を主体とした有機酸類で、そのなかの遊離している有機酸の総量を表わします。測定方法は検体10mlを中和するのに要するN/10水酸化ナトリウム溶液の適定ml数で表示してこれを酸度といいます。

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少しずつ溶液を入れていくと色が変わり、真ん中のフラスコのように黄色くなったら中和された状態です。このくらいの色合いのときの数字を計ります。

実際の税務署への申告の際に、アルコール度数の計測は必須になりますから、こんなに本格的でないとしても最低限似たような設備は必要になります。うーんたいへんだなぁ。


P.S.

えーど、このぶろぐをご覧の方で、「どぶろくを売って下さい」というありがたーいメールを頂戴していますが、まだ試験醸造で、免許も交付されていませんので販売できません。(^^;)

販売までは険しい道のりですが、なんとかひとつひとつクリアしていこうと思いますので、長く、温かい目で見守ってください。(^^;;;;)

大石田町のスイカ名人 井上さん訪問

ということで、山形銀行の那須支店長とともに伊藤支店長のご案内で井上さんの農場にお邪魔してきました。

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ご挨拶もそこそこに、いきなりお母さんがスイカを切り始めました。あのー、まだなんにもお話ししていませんがー。(^^;) 食べればわかるということなんでしょうか。

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この方がご主人の井上さん。スイカ作りなんと35年の大ベテランです。大石田町は昔からスイカ作りが盛んで、古くは終戦直後から三輪車(オート三輪?)で新庄あたりまでスイカを売りに行っていたそうです。尾花沢のスイカの元祖が大石田のスイカのようです。

おもむろに取り出したのは糖度計。今年は長雨のせいで、スイカの出来は今一歩ということでしたが、それでもなんと糖度が14%もあります! (@_@)
驚きです。

食べてみると、やっぱり甘ーい。旨ーい。
いやこれ、ほんとやっぱり美味しいですね。
食べればわかるんですね。

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出荷を待っているスイカ。画像だと大きさわかり辛いですが、かなり大きいです。一玉10kgくらいありますよ!

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中央で出荷作業をがんばっておられるのは息子さん。
後継者もばっちりなので、今後ますます期待できます。(^^)

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しかも、息子さんには既に息子さんが! スイカのようにまんまるのかわいい男の子でした。

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今度は畑をみせて頂きました。これがスイカ畑です。白い○の中にスイカがあるのですが、わかりますか? このあたりはたいへん水はけの良い土地で、今年のような長雨でも、問題なかったそうです。雨の量は大丈夫なのですが、一番困ったのが日照だということでした。

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こんな感じで葉っぱがたくさんないと駄目なのだそうです。スイカ畑にいって、スイカがすぐに見えるということは、それだけ葉っぱが少ないということなのだとか。甘くて美味しいスイカは葉っぱが青くて元気が良いのだとか。なるほど、この画像の葉っぱがまさしくそれですね。(^^)

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この方が井上さん。大石田のスイカ男です。正面から写真を撮らせてくださいとお願いしましたが、照れ屋さんでだめでした。(^^;)

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こちらが井上さん一家、息子さんのお嫁さんはミス尾花沢? 大石田? 花笠? うーんなんだっけ? (^^;) とにかく、なにかのミスを受賞されたべっぴんさんです。

多分来年から井上さんのスイカをみなさんにご案内することになると思いますので、楽しみにしていてください!

最後になりましたが、ご案内してくださった山形銀行大石田支店 伊藤支店長、山形銀行若浜町支店 那須支店長。本当にありがとうございました。(^^)

山形銀行大石田支店

いつもお世話になっている山形銀行の支店長お二人が、よいスイカ農家を紹介して下さるということで、大石田町の山形銀行で待ち合わせです。

この建物...いいなぁ。でもなんか見た覚えがあるなぁ...。

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そう、今社長が構想しているどぶろく製造の建物のイメージにそっくりなのでした。

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もちろん、当店が考えているのは建物はこんなに立派ではありません。プレハブに毛が生えた程度なので...。

あくまでイメージです。イメージ。(^^;)

女鶴もち加工組合見学

今日は朝5:00起き(T^T)で上喜元の高橋さんの紹介で女鶴もちの加工所に蒸し器の見学に行ってきました。

酒田近郊の田園地帯の女鶴地区ですが、ここの餅米は絶品で、皇室御用達だったりします。お餅やいろいろな加工もしているので、見学させて頂くことになりました。実際にどぶろくを造るとなると蒸し器が必要になるからです。

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蒸し器を見る社長(白い服)。帽子を被られているのは組合長さんです。全て見学させて下さいました。ありがとうございました。

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これは洗米機(米を洗う機械)です。

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ここで美味しい餅や赤飯が造られています。
私達も帰りにできたての赤飯を頂いてしまいました。本当に美味しかった! 評判は伊達じゃないですね。今度はうちでも売ろうかしら。(^^;)

上喜元の高橋さん、朝早くから、アポイントとって頂いてありがとうございました。また快く施設を見学させて下さった、女鶴もち生産組合の皆様、本当にありがとうございました。

遠心分離

本日も工業技術センターです。

今日は出来上がったどぶろくを濾します。
ここで「ん!?」と思った方は鋭い!

どぶろくの定義を説明させていただくと、普通の清酒と違う点は唯一、出来上がった醪を「濾さない」ものがどぶろくです。

ということで、どぶろくは既に出来上がっているのに、どうして濾す必要があるのか。それはこの工業技術センターの都合なのでした。

工業技術センターは清酒の試験醸造等の免許はありますが、どぶろくの試験醸造免許はありません。ですので、出来上がったどぶろくを濾して清酒扱いにするのです。

通常、清酒は薮田式(アコーディオンカーテンのお化けのような機械)や佐瀬式(押し槽とも呼ばれます)などで搾りますが、私達のは仕込みの規模が小さすぎるので遠心分離機で粕とお酒に分離します。

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これが遠心分離機です。4つの入れ物が収納できますが、高速で回転させるためバランスを採る必要があります。それぞれ対角線上の入れ物の重さの誤差は1g以下にします。

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遠心分離終了後はこうなります。
斜めになっているのが粕(というか固形物)です。

高速で回転させると、比重の違いから外側に固形物がいきます。

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分離した清酒は別にとっておきます。
後でこれも分析機にかけて、アルコール度数などいろいろ測定します。

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粕はこんな感じ。機械で搾った粕の場合は圧力をかけて搾りますが、遠心分離なのでかなりゆるゆるの柔らかい粕です。

分離して出来上がった清酒(?)は甘めでフルーティ。酸も高くてなんといったらいいのかな。清酒っぽくないです。ワインとも違うし...。

美味しいんですね。これが。私は好きです。あえていうと出羽桜の山形清々酵母を使った一連のシリーズに似ているかなぁ。

そういえば、仕込みも変形の二段仕込なので似ていますね。

飯豊町 白川荘さんにお邪魔してきました

この日は工業技術センターで一緒に研修を受けている、飯豊町の白川荘さんにどぶろくの醸造設備を見学しにいきました。

飯豊町は山形県と新潟県の県境にある山深い町です。山形県では最も早くどぶろく特区に申請されて、一昨年から醸造に入っている山形県のどぶろく先進地です。

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ここが白川荘。自然に恵まれた渓流のそばにある温泉宿です。

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どぶろく醸造道具一式です。
必要な道具は全て見せていただきました。
結構ノウハウがたくさんあります。

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この方が一緒に研修を受けている斎藤さん。やさしい紳士です。(^_^) いつも元気いっぱいの高橋さんと二人でどぶろく研修に来られています。

以前、醸造を担当されていた方が退社されたので、今度は斎藤さんが担当になるのだそうです。そのために、既に醸造はされているのですが、研修を受けられているのだそうです。

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税務署に提出する書類のほんの一枚。この10倍以上の書類が必要になります。醸造し終わったらアルコール度数がいくつのものが何L出来て、それをどの容器に何本つめて、どこに置いて...とか全て帳簿が必要になります。

もちろん醸造に使うタンク等も全て登録がされます。廃棄した場合も同様です。つまり、どぶろく特区というのは、最低醸造制限リッター(6000L以上)がないだけで、酒造メーカーの手続き等と全く一緒なのです。

この作業はかなりたいへんで、斎藤さんの話では一人で全て行うのは無理ではないかということです。これもどぶろく醸造のひとつのカギになるかもしれませんね。

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これが白川荘名物「どぶろくラーメン」

酒気帯運転にはならない程度のアルコールだそうですが、どぶろくの風味がしっかりあります。この辺りの名物の山菜とマッチして、「旨い!」

白川荘にお泊まりの際はぜひ食べてみてください。

白川荘のお問い合わせはこちら

ほかにもどぶろくが入った「どぶろくケーキ」や「どぶろくまんじゅう」もあります。

これも美味しかったです。(しっかりお土産を頂いてしまいました ^^;)

お返しに美味しい枝豆送りますね。> 斎藤さん

十一日目の醪

今日は技術センターです。

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本日のメモ
「アルコールを感じる。泡はほとんどなく、米粒もほとんどない。ガスもおちついている。」

重量 4407g

少し落ち着いたようです。
さて、アルコール度数はどのへんまでいったでしょうか?
ということで、分析室でアルコール度数の計測です。

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計測中の工藤先生

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これがアルコール度数の分析装置。
うん十万円だそうです...。
こんなの高くて買えませんので、うちは浮ひょうを使って計測します。

それにしても「アルコメイト」って商品名もなんかすごいですね。アルコールとおともだち? 一歩間違えると「アル中」みたいな気もします。(^^;)


さて、アルコール度数は!

14.9%

でした。高過ぎー。
ほんとはもっと下のところで止めたかったのですが。
でも醪の感じからするともっと高くなりそうな気もします。

とりあえず醗酵はここでストップして(といっても火入れするわけでなくて、冷たいところに置くだけなので少しずつ進むと思いますが) 次回に遠心分離にかけることにします。

ということで、仕込み開始から約2週間で完成となりました。

紅秀峰

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もう何年も取引が続いている木川屋のさくらんぼ契約農家、須貝さんから「紅秀峰」が届きました。これは山形県が大将錦に対抗して作った佐藤錦をも上回るほどの高級品です。

大将錦はやや皮が固めで甘味がたいへんあり、酸味も多いのですが、これはやや佐藤錦に近い感じ。もちろん甘味も最高です!

ほんっとに美味しい!!

多分来年からはご案内することになると思います。

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ひとつの粒がこんなに大きい!
さくらんぼが大好物の人がめざとく発見!!
早速食べています。

試食の反応は上々! 来年はたぶんご案内開始だと思います。美味しい試食さくらんぼ、ありがとうございました。> 須貝さん

八日目の醪

本日のメモ

「香り、アルコールの香り。醗酵が進んでいる。酸っぱい」

重量は4483gです。
醗酵が旺盛のようです。
酸っぱいのは炭酸ガスがだいぶ出ているからですね。

七日目の醪

今日は技術センターまで日帰りです。
醪の状態は良好です。

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かえってこの辺でやめちゃったほうがいいような...??? (^^;)
度数は10%以下のほうがいような気がするんですよね。

香りはとても良いです。
吟醸香ですね。

本日のメモ

「よい香りがする。泡が発生している。泡の層は約1.5cm。粒がある。甘味あり。」

重量は4515gです。

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こちらは醪の重さの減り具合(黒線)と、醪の設定温度(青線)です。
黒線は二本ありますが、酒米と飯米のそれぞれを明記しています。

やっぱりこういうふうに差が出るんですね。

酒米のほうが、ゆっくりと醗酵が進んでいることが伺えます。吟醸酒造りに必要な低温長期醗酵になっています。

六日目の醪

この日も斎藤さんが画像を送ってくださいました。

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表面に小さい泡がでてきているのがわかりますでしょうか?

麹が作った糖を酵母が食べて醗酵しているのですね。

本日のメモ

「泡立ちが良い。醗酵が進んでいる。香りが良い。」

この日はアルコール度数の測定も行われました。
この時点でのアルコール度数は6.95%。
ビールよりもちょっと高いですね。

重量は4557gです。

四日目の醪

この日は日帰りで工業技術センターです。
いやー、仕込んだ後から比べるとずいぶん溶けちゃった感じです。

香りは...まだかな。

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こんな感じです。

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上から覗くとこうです。
あー、お酒仕込んでるなぁという感じですね。
酵母は泡あり酵母です。
泡はまだですね。

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月山新道のパーキングエリアからみえる湖の噴水。
すごい高さですね。

本日のメモは

「醪の色が黄色っぽい。少し泡が出ている。やわらかい。」

です。
重量は4651gです。

三日目の醪

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次の日も画像を送ってくださいました。ありがとう斎藤さん。
たった一日でこれほどまでに変化します。
麹(こうじ)の力で米が溶けて糖化が始まっています。

本日のメモは

「粒がまだ大きい。ゆっくり醗酵している。醪はまだ固い。」

だそうです。

今日の重量は4681gです。

二日目の醪(もろみ)

留めを入れて、次の日を一日目とするとこの日は二日目。
研修仲間で、どぶろく造りの先輩である飯豊町の白川荘の斎藤さんが醪の様子をメールで送ってくださいました。

この数日間が醪が一番見た目状変化するので面白いそうです。

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水分を米が吸ったのでこういう感じです。

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横から見るとこうです。

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楷入れ作業というと、蔵元ではデッキブラシのたわしの毛が無い版(といったら伝わるかな?)でやるのですが、なにせこのサイズです。さじで掻き混ぜて楷入れ作業します。(^^;)

1963.7ってのは1963年7月に製造された由緒あるビン...ではなくて、このビンの重量です。醸造の基本のひとつに重量の計測がありますので、予めビンの重さを書いてあるのです。

本日担当して下さった方のメモによると

「米はまだ粒が大きい。アルコールの匂いがする。」

だそうです。
この日の重量は4689gです。
撹拌したりすれば、スプーンに醪がついたりしますから、2gは誤差の範囲です。

一日目の醪

さすがにみなさん仕事をお持ちの方ばかりですし、私のように片道二時間半かかる人も居るので、醪の様子や撹拌などの作業は交代で行っています。

今日担当の方のメモによると

「米は固く粒が大きい。糠っぽい匂いがする。」

とのことです。

容器の重さを含めた重量は4691gです。
だんだん米が溶けて醗酵してガスになって出て行きますので、重量は軽くなっていきます。