熟成酒になっても真価を発揮する初孫の酒造り
初孫が隠していた(?) 秘蔵中の秘蔵の純米原酒です。
全国でもほんの数社しか残っていない、ほとんど全製品を生もと(きもと)造りで醸す蔵元にひとつです。
生もと造りは古来より行われる酒造りで、酒母(しゅぼ・酒の元になるもの)の仕込みに自然の力を借りて乳酸を生成させる仕込みの方法です。
酒母の造り方には、生もと(山廃も含む)以外に、高温糖化や速醸などいろいろなものがありますが、現在の酒造りで一般的に採用されているのは速醸もとで、出来上がっている乳酸を添加し早く酒母を完成させてしまうやり方です。
初孫は伝統的に速醸を使わずに生もとで酒を造っています。
当店が事務局を務め、20年間の清酒の熟成実験を行った「古酒 二十歳の会」においても、初孫の酒は20年の熟成にも耐え、まろやかで角のとれたたいへん深みのある酒となっておりました。
15年熟成の山田錦の原酒をベースに酸度の高い美山錦の熟成原酒をブレンド
鼻を近づけるとほんのりと甘いカラメルのような香りが感じられます。
熟成による香りで、変な老ね(ひね)た香りは感じられません。
少しとろみを増した感のある酒で、この長期間の熟成に耐えたのも初孫が得意とする、生もとで造った足腰の強い酒だからこそといえます。
また、もう一つの美点が原酒であること。長期熟成のためにはアルコール度数が高いことが有利に働きます。
口に含むと香りから感じさせたとおりの爽やかな甘酸味の味が楽しめます。
何かを食べながら飲む酒ではなく、乾杯用やデザートなどで楽しみたいお酒です。飲みづらさを感じたのであれば、ロックにしても楽しめます。
個人的にはほんの少しだけ温めた燗酒も試してみたいところ。
ブレンドに使用している美山錦は10年未満の熟成酒です。熟成年数は非公開となっております。
ベースになる15年熟成の山田錦の純米 原酒と美山錦 熟成原酒のブレンド比率等は非公開となっております。
メーカーからは取り扱い店の中でも最大数の本数を当店に出荷していただきましたが、それでも人気に対して本数が少ないと思います。完売の際はご容赦下さい。
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