東北「酒米」のルーツを辿る品種
親にあたる「たかね錦」の育種系統名が「信交190号」であったことから改良信交と命名されました。
改良信交は草履と縁が切れない酒です。
昭和30年台後半、草履の名産地(現在はスリッパの名産地です)の山形県河北町で栽培されました。
極長稈(背丈の高い)の稲のため「わら」の加工に適していたのが、 大量に栽培された理由の一つです。
しかし草履需要の減少で栽培が激減した米でもあります。
酒米としては心白は小さく酒造りには適しており、美山錦が登場する前までは秋田県では
主力の酒米となっていたこともあります。
2000年に入ってから山形県農業総合研究センターから種子をわけていただき、
羽黒酒米研究会に作付を行っています。現在は、品質、収量とも安定期に入っています。
軽快で飲みやすい白露垂珠
改良信交は「甘味と香り」が特徴的な酒米です。
香りのボリュームは低めですがメロンなどの甘い香りが感じられます。
酸度は1.7とやや飲みごたえがある酒に思えますが、そんなことはなく軽快で親しみやすい味わいです。
やわらかな旨味と軽快な奥行きを合わせ持つふくよかな美酒に仕上がりました。
甘さは感じられますが、それを酸で締めてスッキリとした味わいの酒です。
単体で味わうのも良いですが、ポトフ、ラタトゥイユ、かき揚げ、サラダなどの緑黄色野菜料理に最適です。
原酒ですが、それを感じさせないスッキリとした後味です。
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