112年に時を超えて醸された酒田生まれの品種
米種「酒田早生」は1912年、酒田の大豪商本間家の農場で、米の原種のひとつ「万石」の変種を元に大正元年に誕生しました。
2024年6月25日のお披露目会では山形県農業研究センターの元水田農業試験場長であり日本酒の愛好家でもある 大渕光一氏が 酒田早生、そして庄内の篤農家(とくのうか・農業に携わり、その研究・奨励に熱心な人。)たちの情熱と実績について お話をして下さいました。
以下大渕氏
庄内地方の育種家というと亀の尾生みの親の阿部亀治氏が有名だが、
57人も農家が175もの品種を作ったことがあきらかになっている。
特定のちいでこれほど多くの農家が多数の品種を作ったことは全国に例がない。 しかし、それだけの農家がそれだけの品種を作った歴史を、現代の農家の方もほとんど知らないのが 私はたいへん残念に思う。
この中には一人で40もの品種を作った方もいれば、現在の公立の試験場と同じくらいの規模で試験を行い、 貴重な資料を残した人もいる。
庄内町には亀の尾以外にも名品種となる森多氏が育てた森多早生がある。 これはコシヒカリは全国最大の作付面積だが、コシヒカリはこの森多早生の血統に であることが独立行政法人農業生物資源研究所の最新の遺伝子解析で明らかになっている。
亀の尾、コシヒカリと古今の大品種は前述のとおり庄内地域の先人の農家がなければ存在しなかった。 この事実をぜひ知っていただければと思う。
今回の米は酒田市の本楯地区の伊藤さんにお願いして作ってもらったが、 庄内の酒田以外の4市町にはそれぞれの地域で誕生した米を使った酒があるが、 唯一酒田市のみ、酒田生まれの品種で造った日本酒が存在していないので、 なんとか造ってほしかった。
この酒は私は地酒の中の地酒といえる酒だと思っている。
造り手の立場から
発表会では上喜元の社長兼杜氏の佐藤正一さんからもスピーチが有りました。
大渕さんから2023年10月30日に112年間絶えること無く植えて種子を残し続けていた 酒田早生という品種があるので、283kgの米で酒を作ってくれないかと言われました。
清酒の醸造には最低でも白米で600kgは必要なのに、精米したら170kgしか残りませんでした。
60%精米するのに、高温の影響もあり米が固く、熱を持ちすぎて胴割れしないように精米に大変気を遣いました。
高温の影響で浸漬のときもなかなか水を吸ってくれなかった。
170kgの白米では仕込みにいつも使うタンクは大きすぎたので、 酒母用の小さいタンクを準備しましたが、容積が小さいので温度のコントロールがたいへん苦労しました。
酒田市生まれの自分たちの土地の品種で酒を造りたかった思いで今回なんとかみなさまにお披露目することができました。
さっそくのんでみました
酒造好適米ではないので香りのボリューム自体は高くはないのですが、 ほんのり柑橘系の香りやラムネやライチのようなさわやかな香りが感じられます。
甘みと同時にやや強い酸を感じますが、二杯目からは甘みが少なくなりさらっとした辛口に変化していきます。
甘み・酸味が程よく有り、バランスが取れています。
アルコールは軽め、すっきりとした飲み心地ですが、後に酸味苦味が適度に有り味を引き締めています。
何かを食べながらでも楽しめるお酒ですが、海の幸との相性は抜群です!
酒田生まれの地酒をぜひお楽しみ下さい。
蔵元総出荷本数450本の限定酒です。
※画像および商品説明文は実際に弊社スタッフが唎き酒し全て自社で作成しています。
無断での引用・改変・転用は固く禁じます。
このお酒の成分
原料米 | 酒田早生 |
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精米歩合 | 非公開 |
酵母 | 自社酵母 |
日本酒度 | -2 |
酸度 | 1.3 |
アルコール | 15%(原酒) |
補足情報
飲み頃温度 | |
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化粧箱 | 箱入れ希望の場合 別売り |
在庫 | 限定品につきなくなり次第終了 |
おすすめの発送方法 | クール便 |

720ml 2,750円 完売
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