木川屋特注酒 「初春の夢」の誕生
始まりは1999年。
西暦2000年を迎えるにあたって特別に準備したお酒をリリースしようという企画が社内で立ち上がりました。
特注品の委託先は初孫。現在でこそ特注品を出荷しているメーカーですが、その当時は全て自社製品のみの出荷でした。 3年ほど時間をかけて蔵元に粘り強くお願いしてなんとか1999年の出荷にこぎつけたのが、「純米大吟醸 夢 2000年記念」というお酒でした。
お酒の選定は蔵元からよりすぐりのものを数種類準備していただき、それをスタッフ全員で試飲して1本を選ぶという方式です。
最初は当店の大人気企画である木川屋オリジナル地酒頒布会の一つとして組み込まれましたが、お客様からたいへんなご好評をいただき、単体の商品としての販売が始まりました。
発売当初のスペックは下記のとおりです。
初孫 純米大吟醸 夢 2000年記念単独販売
原料米 山田錦
精米歩合 50%
日本酒度 +4
酸度 1.35
酵母 山形KA
アルコール度数 16.5%
翌年の2000年の暮れは初孫 純米大吟醸 翔 2001年 特注限定品を発売。 2001年以降は初孫 純米大吟醸 夢として、毎年出荷本数が増えていきました。
その後は2013年に名称を「初春の夢」に、蔵元を上喜元に変更して現在まで休むことなく毎年販売が続いています。
初春の夢の特徴として上げられるのが春を思わせる美しく華やかな香りと澄んだ米の旨味です。 毎回このコンセプトにふさわしい酒を当店スタッフ全員がきき酒をして意見を交わして選んでいます。
お客様もリピートの方が大変多く、酒を選定する私達も真剣勝負です。
熟成した初春の夢もそれぞれに美味しい
平成16年(2004年)にこんなことがありました。
冷蔵室からH11BY醸造の夢の720mlが1本だけ見つかりました。
冷蔵室見学をされていたお客様が偶然それを発見し、「どうしても譲ってほしい」ということでしたのでお譲りしました。
数時間後に
「めちゃくちゃ美味い! もっと無いですか?」
と電話がかかってきました。
これがきっかけで、毎年1800mlで30本程度、H16BYから今まで 総数3000本収容の当店の低温貯蔵室で熟成を行ってきました。
寝せた初春は香りが穏やかに、味わいは深みが出てまろやかに変化します。
毎年たいへん人気だったのですが、2014年は一部のメーカーの需要過多で全国的に山田錦が不足してしまい、例年の1/3の本数しか手配ができず、しばらく熟成酒をリリースすることができませんでした。
現在は、約数年分の各ヴィンテージの飲み比べが可能になっています。
毎年自分たちが納得できるお酒を自分たちで選びお客様にお届けするお薦めのお酒。
それが木川屋の「初春の夢」です。
今年はなんと大吟醸 山田錦35%精米!
今回特別に上喜元が出荷したのが、なんと大吟醸 山田錦35%精米の槽垂れ原酒! です。
資材高騰等で値上げのお酒が多い中、木川屋と上喜元からの一年のご愛顧のプレゼント価格でございます。