庄内の育種家が育てた森多早生
庄内地方には篤農家(農業に携わり、その研究・奨励に熱心な人)がか他の地域では考えられないほど多くいました。
亀の尾を発見した阿部亀治氏が有名ですが、阿部氏だけではありません。
この森多早生を育て上げた森屋多郎左ェ門もその一人です。
森多早生は「ササニシキ」や「コシヒカリ」のルーツとなっている品種で、もし森多早生がなかったらササニシキもコシヒカリも存在しなかったかもしれません。
森多早生は1913年、同町廿六木の森屋多郎左エ門が「東郷2号」の変種を選抜しつくり出した品種で、近代品種「農林1号」の親となりました。
森田早生を選抜育成した森屋 多郎左エ門は22歳という若さでした。
役場の係員が「若者がそんな品種を創るはずはなかろう」と驚いたほどです。
森屋 多郎左エ門は昭和46年、80歳で亡くなるまで、品種改良に取り組んでいました。
これぞ鯉川 酒本来の旨味が楽しめます
木川屋ではスタッフ全員でブラインドテイスティングを行っています。スタッフの感想をまとめてみました。
グラスに鼻を近づけても純米大吟醸から想像する吟醸香はあまり感じられません。
けしてフルーティではないのですが、香りは有ります。キャラメルを思わせるような甘い熟成香です。
香りのボリュームは低いのですが、しっかりとその香りが感じられ熟成酒であることを主張しています。
一口目は熟成による甘みを感じさせ、二口目以降は甘口から辛口へと変化。
米本来の旨味と角の取れた熟成による酒の丸さが有り、コク・重みも感じますがバランスが絶妙で初心者の方でも酒の旨さを堪能していただけます。
冷やし過ぎずに、常温やお燗も試したい酒です。
口に入れてからが本領発揮の旨口の純米大吟醸です。
フルーティな香りと、とても甘くした酒を高い酸で引き締める、甘くてわかりやすい味....
最近このようなお酒が本当に増えてきました。
日本酒の入門用にはピッタリだと思います。「日本酒ってこんなに美味しいんだ!」と気づいてもらうにはこのようなキャッチーなお酒の存在は重要です。
このようなお酒から入って飲み続けていくと、不思議と飲み手の方の好みが変わっていくことが珍しくありません。
キラキラしたアイドルから、本格的シンガーへ好みが変わるような感じでしょうか。
この酒はそんな本格派の酒です。
「日本酒の旨さとは何か?」という問いに鯉川なりの回答がこのお酒だと思います。
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