コストパフォーマンスの良い出羽の里
山形県オリジナルの酒米三部作は出羽燦々(山形酒49号)から始まり、出羽の里(山形酒86号)、
雪女神(山形酒104号)と続きました。
最初の出羽燦々は純米吟醸クラスを、出羽の里は純米クラスを、最後の雪女神は純米大吟醸クラスを
ターゲットにしています。
出羽の里はこの中では一番下のクラスになる純米クラスとなるわけですが、
この米は上位にあたる2つの品種に勝るとも劣らないとても優秀な酒米だと感じています。
心白発現率が高く、しかもそれが大きいため高精白ができない特徴があります。
出羽の里に限っては
高精白ができない = 雑味が多い
ではないのです。
出羽の里は80%精米で酒を醸し、出荷しているメーカーもあるほどです。
精米歩合数値が高くても、他の酒米では考えられないほど澄んだ整った味わいになるのが出羽の里。
米の価格も上のクラスに比べればが抑えられており、しかも精米をたくさんしなくてもOKとなると、
結果的に1800mlで2000円前半という価格で美味い純米酒が楽しめるのです。
まさしく「ミラクル」な酒米ですね。
貴重な存在のほどよい辛口
私がこの仕事を始めた1995年当時、山形県内の日本酒のスタンダートとも言える数値が
日本酒度が+3〜+4、酸度が1.3〜1.4というものでした。
現在は日本酒度は+1(もしかするとマイナスかも)、酸度は1.1前後が多くなっています。
つまり、甘い・軽いそして香りが強い酒が本当に多くなりました。
この酒は雑味のないスッキリとした清涼感に、
バランスのとれたちょうどいい辛口の酒に仕上がっています。
価格からは想像できない味わい。
冷やからぬる燗まで守備範囲も広い、まさしく「ミラクル」な純米ですね。
・日本最大全国燗酒コンテスト2016 金賞受賞酒
・純米酒大賞2017金賞受賞酒
|