秋田県由利本荘市 株式会社 齋彌酒造店
雪の茅舎・ゆきのぼうしゃ
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歴史と風格ある建造物から生まれる銘酒
由利本荘市石脇地区は、藩政時代は旧亀田藩の物流拠点として栄えました。 子吉川を下って集められた米や木材などが、石脇港から北前船に積まれ、大阪や江戸に運ばれました。
現在でも由利本荘の特産を製造・販売する店舗が軒を連ね、歴史の面影を感じることができます。また毎年1月中旬には伝統行事である「新山神社裸参り」が開催され、多くの人でにぎわいます。
雪の茅舎醸造元、株式会社 齋彌酒造店は明治35年(1902年)に初代 齋藤 彌太郎により創業されました。当時のまま残る住宅・店舗・蔵など11棟が国の登録有形文化財に登録されている由緒ある蔵元です。
店舗部分は庇を差し出した大規模町屋の構成で、2階に洋風デザインを取り入れた独特の意匠を持ちます。敷地後方の西蔵・中蔵・東蔵は大規模な土蔵で、門・文庫蔵とともに、地域産業の発展を物語る貴重な建造物です。
自家酵母による丁寧な酒造り
雪の茅舎の酒蔵は創業当時から現在の傾斜地に建てられ、高低差が約6メートルある一番上の精米所に米が運ばれ、酒造りが始まります。
敷地内で湧き出す伏流水で仕込まれ、工程が進むにつれて下に移動していきます。登っていったお米が日本酒となって下に下りてくる仕組みです。
「のぼり蔵」の命名は、諸白醸児氏こと東京農業大学教授の小泉武夫博士によるものです。氏は焼き物の「登り窯」に似た珍しい蔵だということで命名されました。氏によると、このような自然の地形と引力を利用したつくりこそ、良い酒を育むための昔の人の知恵であると話しておられました。
雪の茅舎の酵母はこの由緒ある酒蔵で生み出される自社酵母を全ての酒に採用しています。
製造現場は、杜氏をはじめ蔵人が育てた酒米を使用して酒造りに励んでいます。純米酒以上のお酒は「濾過無し・加水無し・櫂入れ無し」の三無い造りを実践しています。
この3つすべてを行っていない蔵元というのは記憶に有りません。 特に櫂入れ無しの部分については醪(もろみ)の均一化をはかる上では、通常は必要不可欠な作業です。
齋彌酒造では酵母によって起こされる自然な対流に任せるという手法を取っています。
3つの「無し」を念頭におき、齋弥酒造店の「名人」と言われる高橋杜氏は、極力人の手を入れず、酒(微生物や酵母)に任せる造りを行っています。 人が行うのは酒質の見極め、機械作業、清潔な環境造りです。
由緒ある蔵元は驚くほど清潔に保たれています。
この、酒に任せる方法が活かされることで、澄んだ美しい酒質と旨味を十分感じる味わいを造ることができるのです。雪の茅舎は通年商品は火入れは一度のみ。二度火入はございません。
また、秋田流生酛(きもと)、山廃にもこだわりを持ち醸造を行っていますが、一般的にイメージする山廃とは異なり、醸造技術の高さ、そして水質の良さを感じさせるたいへん美しい酒に仕上がっているのが特徴です。
木川屋では25年ぶりとなる県外銘柄の取り扱い
新規取り扱い蔵は本来であれば製造現場である蔵元に出向き、ご挨拶と見学を行いその上で皆様に様子をご紹介しておりました。
しかし、コロナ禍のため、蔵元側も県外からの受け入れが出来ず、頂いた資料等からのご案内になります。 コロナ禍が収束しましたら、この素晴らしい蔵元にぜひお邪魔させていただきたいと思っております。
木川屋は雪の茅舎正規販売店です。全製品蔵元直送品を冷蔵管理。蔵元の味をそのままの状態で皆様にお届けいたします。
木川屋が惚れ込んだ秋田の銘酒をぜひお楽しみ下さい。
齋彌酒造店は2019年3月 NHK プロフェッショナル~仕事の流儀~に登場しました