山形県南陽市 東の麓酒造 株式会社
天弓(てんきゅう)
元東北泉杜氏「神 理」氏が移籍1896年(明治29年)創業 江戸時代、米沢宮内地方で、領主より特権を得ていた在郷商人酒田屋利右衛門氏の酒造部門を、 当家六代栄次が引き継ぎ創業したもので、以来現在まで古い伝統を守りながら、 たゆまざる酒造技術を重ねています。 山形県南部に位置する置賜盆地は吾妻連峰を望み、澄んだ大気、厳しい冬の雪と寒さ、 そして清らかな水が酒造りに非常に適した地で東の麓は醸されます。 造りは2017年現在、7名で行っています。 製造部長と杜氏の神杜氏以外は造りの時期だけ蔵に入る季節労働の方になります。 神杜氏、特徴のある名前なのでご存知の方も多いと思いますが、 2013年まで東北泉で杜氏をしていた神 理(じん まさし)杜氏その人です。 東北泉時代は杜氏就任の初年度から10年連続鑑評会金賞受賞(10年連続は未だにやぶられていない 山形県の連続受賞記録です)を成し遂げた名杜氏です。現在は東の麓で杜氏に就任しています。 酒質向上のために努力を重ねる東の麓は創業以来、明治・大正・昭和の蔵を継ぎ足すかたちで製造を行っております。 仕込み水は軟水で水道水を濾過して使用しています。 水道水といってもダムから取水している良好の水質の水です。 麹室は床麹を止め、引き込みの場所を広く取る形に変更しました。東北泉時代の箱麹を導入し、東北泉で培った技術を東の麓で応用すべく、試行錯誤をしています。 メインは箱麹ですが、鑑評会出品酒は若手への技術継承の意味合いも込めて蓋麹で仕込んでいるそうです。 造りは速醸だけでなく、山廃仕込も行っており泡無し酵母も使用しています。東の麓では2016年に薮田式圧搾機を新規に設置し、今後少しずつ造りの設備について 改良を重ねていく予定です。 新ブランド「天弓」近年になって東北芸術工科大学の学生がプロデュースとデザインをした新ブランド「天弓」も人気を博しています。「天弓」とは、雨が降った後の晴れた空に見られる「虹」のことを意味しています。 天気の「晴れ」は、「ハレ」として節目を指す言葉としても用いられ、儀礼などの「特別な日」を指します。これに対し、「ケ」は「普段の日」を表すとされています。 「天弓」は、そんな「ハレ」の日にも「ケ」の日にも、感謝の気持ちを届けてくれる日本酒として開発されました。ラベルは虹をベースとしながら、「ハレ」と「ケ」の日々をそれぞれ表すデザインとなっています。 今後の発展が楽しみな蔵元です。 ・2017年3月 東の麓 蔵見学 |
漢字で最も画数の多い文字で、 最も豪傑な姿を現している文字とも言え、手間隙を掛け造り上げた純米大吟醸酒と言う意味もあります。
果実感のある豊かで甘い香りが楽しめます。 高精白した限定生産の愛山を贅沢な雫取りで搾ったことに由来します。