2024年7月25日から降り始めた雨は線状降水帯となり台風の影響もあり、100年に1度を超えるような大雨となり山形県庄内地方では今までに記録が無いほどの雨量となりました。
木川屋新橋本店の前の道路も近くの用水路から溢れた水で冠水気味となり、酒田市内のあちこちで被害が出ました。 特に酒田市の西荒瀬地区、旧八幡町、遊佐町で大きな被害が発生し、中でも荒瀬川沿岸の大沢地区では建物の1Fを全て埋め尽くす土砂に覆われ、 電気・水道はもちろん、道路すらも全て流される被害となりました。
その下流にあたる麓井酒造のある地域も河川が氾濫し、道路がまるで川のように濁流に飲み込まれました。
蔵内では高度の低い窯場付近から泥水が押し寄せ、米蔵、仕込み作業場、麹室、枯らし場などあらゆるところが泥にまみれました。
製品にダメージは無かったのですが、出荷を出来る状態ではなく復旧に集中するために製品出荷も止まりました。
木川屋では7月30日に代表の高橋と鈴木の二名で泥の掻き出しの復旧の支援に向かいました。 当日は東京から伊勢五本店さん(酒販店)・横浜 君嶋屋さん(酒販店)・花山さん(酒類卸)の方に加えて、隣の遊佐町の杉勇酒造からは鈴木 巧杜氏が、酒田からは酒田料理 銀のすずさんと当店、親戚蔵にあたる東北銘醸(初孫)からも応援がかけつけました。
木川屋は8月1日、8月3日もお手伝いに参加しほとんどの泥を掻き出すことができました。
これから先は麹室の修繕や水に浸かってしまった機器類の確認と必要であれば修理や交換となり、専門の方の仕事となります。
幸い、8月5日から蔵元の商品出荷が再開し、木川屋が次に行う支援は蔵に在庫としてある商品を販売して少しでもお金に替えていくことだと感じました。
麓井酒造はR5年度全国新酒鑑評会で金賞を受賞したり、東北清酒鑑評会でも吟醸の部で東北No.1に輝いた銘醸蔵です。
今年度の造りについては復旧が間に合うか心配ですが、ぜひ皆様にも「飲んで支援!」 をお願いさせていただきたく存じます。
当店以外にも伊勢五本店さん(酒販店)・横浜 君嶋屋さん(酒販店)でも販売されていますのでそちらでもお買い求めいただけますし、取り扱い酒販店でみかけたらぜひご購入ください。 また飲食店等で麓井酒造をおみかけのときはお飲みいただけると幸いです。
今年もいつもどおり酒造りが行えるように木川屋では支援したいと思います。
たくさんのご支援・お便りありがとうございます
豪雨災害発生時に当店や麓井酒造に皆様から頂戴した温かいメッセージを掲載させていただきます。
深く御礼申し上げます。誠にありがとうございます。
山形県酒田市 麓井酒造 株式会社
麓井・ふもとい
創業は明治27年(1894年)。 造りの大半を生もとで行う蔵元です。生もと造りというと、庄内ではまず初孫(東北銘醸)が思い浮かびますが、麓井と初孫は親戚関係にある蔵元です。 鳥海山の南側の麓に位置するたいへん良好な水質の水源を持つ麓井。 創業当時、藩主酒井家の分家の人々から酒造りの指導を受けた 事から、酒井家の「井」、地名の「麓」を合わせ「麓井」となりました。 代表作に酒人生を凝縮したような酒、大吟醸 圓があります。 大吟醸 圓は庄内地方の吟醸酒の草分け的存在で、ほとんど吟醸酒が市販されてなかった当時、栄光冨士の古酒屋のひとりよがりとともに庄内最古参の市販吟醸酒として登場しました。 麓井 蔵元紹介麓井の特徴の一つはまず水質の良さです。鳥海山は日本で有数のブナの原生林が存在する貴重な山ですが、その麓に位置するこの蔵は豊富な湧き水に恵まれ、酒造りだけでなく、飲み水としても多くの人々が水を汲みにやってきます。 当店も時間をみつけては麓井の八幡町に行き水を汲んでいます。これで炒れたコーヒーは旨いんですよね。 この水はサントリーのミネラルウォーターにも採用されたことがあります。話がそれてしまいましたが、仕込みにも適している証拠に酒田市内の蔵元もこの水をわざわざ毎日汲みに行っていることです。 麓井のもう一つの特徴、それは酒質です。全体的に淡麗傾向があるのですが、生もと造りによる足腰の強さが絶妙にバランスしており、 日本酒を飲み馴れない方には口当たりと喉越しの良さが、ある程度酒歴を積んだ方には酒のバランスと奥行きの深さが味わえる蔵元です。 これからの麓井麓井の佐藤社長のご子息の佐藤市郎専務が来店されました。市郎専務は平成14年に家業を継ぐために蔵に入りました。その後は酒造り全般を担当されています。 真面目で実直な人柄で、酒造りに真摯に向き合っています。 以前からの看板商品でもあった大吟醸 圓。このお酒も登場した当初は日本酒度が+8ほどもあった辛口大吟醸でしたが、その後+4となり最新のものは±0〜+1と時代に合わせて酒質を変化させています。 また、平成25酒造年度付近からは出品酒も含めて全量生酛造りの蔵元となっています。 これから麓井の酒もより旨く変わっていくことと思います。 今後が楽しみな蔵の一つです。 画像は手前が佐藤さん、奥が営業担当の堀さんです。 |
当時から鑑評会での成績が優秀だったのでそれがきっかけで昭和56年に市販された庄内地方の市販大吟醸のさきがけです。
名称は「圓なること太虚の如し、余ることなく欠くること無し」という禅語に依頼しています。 IWC2018 大吟醸部門でゴールドメダルを獲得した、たしかな品質の麓井最高級酒です。