山形県高畠町 米鶴酒造 株式会社
米鶴・よねつる
創業は元禄年間(1688年頃)と歴史のある蔵元。 「酒は生き物であり、正直なものです。手を抜いたお酒は、目の前にいるきき酒名人はごまかせても、大勢の消費者と月日の流れはごまかせません」と語るのは梅津伊兵衛社長。 酒どころ山形県で300年の歴史を持ち、また常にトップクラスの人気と酒質を維持する蔵の社長の言葉だけに説得力があります。 米鶴酒造は、地域の酒蔵と合併することで、昭和初期の恐慌と戦前の統廃合にも酒造業を辞めることなく現在に続いている酒蔵です。 昭和28年(1953年)に法人化し、株式会社米鶴本店を設立。 同31年(1956年)には全国新酒鑑評会金賞を受賞。 昭和46年(1971年)には増渕酒造、多勢酒造と合併し米鶴酒造株式会社と改名します。 酒造りに適したまほぼろばの郷蔵がある高畠町は、天然の農作物や果実が豊富にあり、「まほろばの里」と呼ばれています。 また、冬は雪が多く家屋が埋もれてしまうほどだといいます。しかし、この冬の厳しさはまた、酒造りには欠くことのできない条件のひとつです。 清麗な水と空気に恵まれて、高畠町は、酒造りに最適な町とも言われています。米鶴は酒質第一主義を掲げ、原料の選定から製造方法まで、丹念に、そして丁寧に行われています。 こうして造られる酒は、軽快で爽やかな風味と上品さを醸し出します。米鶴の酒の大きな特徴です。 最古参の吟醸酒 米鶴 F1大吟醸F1は、酒造好適米の山田錦を45%まで精白し、低温醗酵によりじっくりと造り上げた逸品です。 淡麗な旨みは、酒造りの限界に挑み続けた結果の味。しかもこの酒が始めて市場に出たのが、昭和44年のこと。 現在の吟醸酒の流行を考えれば、先見の明があったというべきでしょうが、それよりもむしろ、この時代に本当に旨い酒を造ろうとした、その心意気に拍手を送りたいと思います。 「酒は蔵人の心をうつす鏡である」という蔵の信念が伝わってくるようです。 「米鶴酒造のウェブサイトによると、米鶴の使命は「日本酒・焼酎とそれに関連する商品の開発、製造、販売を通じて食の豊かさに貢献する」 「発祥の地である山形県東置賜郡高畠町二井宿を中心に、米鶴に関わる人の幸せな生活に貢献する」とあります。 昭和58年には地元の農家で組織する酒米研究会を発足し「亀の尾」「美山錦」など酒米栽培にも携わっています。 |