【全国新酒鑑評会とは?】独立行政法人酒類総合研究所主催の全国新酒鑑評会は、明治44年の第1回開催以来、全国新酒鑑評会は、その年に製造された清酒を全国的な規模で調査・研究することにより、品質向上に寄与することを目的としています。平たく言えば全国規模の杜氏の腕くらべの会とも言えます。 現在、全国規模で開催される唯一の清酒鑑評会であり、製造技術と品質の向上に果たす役割は極めて大きいものがあります。 【全国新酒鑑評会の存在意義】鑑評会は現在のように独立行政法人化する前は、国税庁が主催していました。国が民間の製品の優劣を決めることや、鑑評会の在り方そのものについて否定的な意見もありました。販売している当店でも疑問思う点が多々ありました。 ですが、いろいろ造りの現場の事情を知っていくと鑑評会の存在意義というものが少しずつ見えてきました。まず、鑑評会は酒造業に携わる者のための会であるということです。 酒造技術の向上を目的としていることが第一に挙げられます。当然醸造技術が向上すれば、その後の市販酒の酒質向上も十分あるわけですが、それ以前の酒造技術向上を目的としています。 金賞という賞は出品したお酒に与えられるものではなく、その酒を醸した杜氏や蔵人に与えられると考えた方が自然かもしれません。 【金賞受賞酒とは】鑑評会で金賞を取った酒というのは旨い酒なのか? という点ですが、旨い酒の概念については飲む人それぞれで違いますので、金賞をとったから必ずしも旨く感じるかは飲み手によって違いが出ます。 誤解を恐れずに書けば、鑑評会で金賞をとれる酒というのは、金賞受賞できるお酒の傾向というものは年々変化していますが、受賞できる酒質はある程度決まっています。 ある程度目標となる酒質があり、それに近いもしくは越えるお酒を安定して造れるかどうか、つまり酒造りの腕そのものが競われています。たとえば、鑑評会で金賞を取るには山田錦35%精米で協会9号系の酵母、いわゆる「YK35」という造りのものがほとんどです。 通常蔵元が得意としている酵母が10号酵母で、それを得意とする蔵であっても出品はYK35になる場合が少なくありません。 市販酒と出品酒は違うと言われますが、上記のことを踏まえれば当然有り得る話です。出品酒というのは、極論をいえば賞をとるためだけの酒でもあるわけです。味わいの嗜好や市場を意識しない酒とも言えます。 金賞受賞をした蔵元の市販酒がどのようなレベルのものを出しているかは蔵元によって違います。ただ、金賞を受賞した蔵元というのはそれ相当の酒造技術を持っているということは間違いの無い事実であると言えます。 もちろん、当店で取り扱いしている銘柄については市販酒にも十分力を注いでいるお薦めの酒ばかりです。 |
選りすぐりの出品酒 を吟味する参加者 一般公開とはいっても 杜氏や蔵人ばかりです 地方の鑑評会でも かなりの量です 全国ともなると 半端な量ではありません 雫採りが終わり瓶詰めの ために斗瓶で保管される 出品用大吟醸 手間のかかる瓶燗殺菌 (火入れ)後の急冷作業 |
文:木川屋商店 ネット通販担当 高橋 修一 |
華やかな香りと優雅な味わい、杜氏入魂の作品です。このお酒は鑑評会金賞受賞相当のお酒になります。
IWC SAKE 大吟醸の部
2018 2019 SILVERメダル受賞